2009年下半期ライトノベルサイト杯投票

2009年下半期ライトノベルサイト杯に投票します。今回は面白かった本を思い浮かべていたら、謀ったかのように新規5冊・既存5冊になったので迷わずGO! ……と思ったら、某作品の最新刊は対象範囲外でした。いろいろと残念。コメントは後々。

  • 新規部門

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア (電撃文庫)

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

ぷりるん。~特殊相対性幸福論序説~ (一迅社文庫)

ぷりるん。~特殊相対性幸福論序説~ (一迅社文庫)

  • 既存部門

耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫)

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)

  • 投票コード

【09下期ラノベ投票/新規/9784048682695】
【09下期ラノベ投票/新規/9784048679046】
【09下期ラノベ投票/新規/9784048682190】
【09下期ラノベ投票/新規/9784048682695】
【09下期ラノベ投票/新規/9784758040921】
【09下期ラノベ投票/新規/9784086305228】


【09下期ラノベ投票/既存/9784044729097】
【09下期ラノベ投票/既存/9784047261969】
【09下期ラノベ投票/既存/9784047152878】
【09下期ラノベ投票/既存/9784048679107】

絶対女王にゃー様 2

絶対女王にゃー様2 (ガガガ文庫)

絶対女王にゃー様2 (ガガガ文庫)

正直なところエロコメとかどうでもいいし読む気も起きない。美少女文庫二次元ドリーム文庫があればいいじゃんと思うし、実はフランス書院文庫の方が好きなんじゃない?と思ったけど巨乳な女の子のエロかわいいイラストのほうが好きだよね。なんて性癖暴露しても誰得というか俺損じゃん。しかも肝心のにゃー様はかわいいけど、12才+αのロリぺったんなドM専用女王様。うん。完全に僕の中のアンパイアが暴投判断してるけど、困ったことにデットボールなんだよね。家庭の事情でちょっと歪んじゃった優等生な主人公は中学二年生。彼はクラスアイドルで同じ部活の女の子に対しても、ひきこもっちゃった幼なじみの女の子にもどうもうまく対応出来ない。そんな時、幼なじみのPC履歴から絶対女王にゃー様のサイトを知ってしまって……。にゃー様の中の人は果たして幼なじみなのか、それとも憧れのあの子なのか? 正体を確かめるためにログインしたその日から、彼の中の日常が緩やかに崩壊していく。妹の登場により混迷を増すにゃー様の謎。そして日に日に溺れていく性的倒錯。彼が「にゃー」と哀願しながら果てていく先に何があるのか。にゃー様は誰であって誰でないのか? そしてそこに救いはあるのかい、ぷりるん。
ぷりるん。~特殊相対性幸福論序説~ (一迅社文庫)

ぷりるん。~特殊相対性幸福論序説~ (一迅社文庫)

[田中芳樹]銀河英雄伝説外伝 1

銀河英雄伝説外伝〈1〉星を砕く者 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説外伝〈1〉星を砕く者 (創元SF文庫)

2009年の読書目標に銀英伝ガンダムUCの読破があったのだけれど、二兎を追う者は一兎をも得ずということわざの正しさを証明するのみに終わってしまった。それでも銀英伝は正史10巻は区切りよく読了しお腹いっぱいで、外伝を残しておいたのは正解だったようだ。ちなみにガンダムUCは「刻が見える」「月光蝶であ〜る!」なんだけれど、それはまた別の機会に。ともかく、年も明けて銀英伝外伝です。まずこの外伝第一巻となる「星を砕くもの」帝国ファンなら大歓喜だよね。なにせ時は正史開始その前、ラインハルトとキルヒアイスカップルの下にロイエンタールとミッターマイヤーコンビが加わるって話なんだものさ。あ、コンビとカップルの違いは以下略だけど、赤毛さんの髪の毛いじりすぎだよね。それにしてもまあ「英雄たちのいるところ」って感じでニヤニヤウフフな宮廷謀略劇はいいねえ。あってないような艦隊戦の戦術だとか戦略だとか、ね。と思ったけど、戦争自体が政治劇。それでこそ銀英伝。これはもうアニメもなあと思うけど、アンネローゼが以下略。ところで、GoooleIMEはなんでこんなに銀英伝に詳しいのかしらん。

耳刈ネルリと奪われた七人の花婿

耳刈ネルリと奪われた七人の花婿 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリと奪われた七人の花婿 (ファミ通文庫)

第10回えんため大賞小説部門優秀賞作『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』が読者半分置いてけぼりな妄想力溢れた素晴らしき全体主義国家学園ものだったので、続刊があることに驚いた。そりゃまあ優秀賞作品ですもの三作ぐらいはと思っていたら、本当に三作で終わってしまったらしい。おい、ちょっと待った! 散々ぱら失礼なこと言っておいてなんだけれども、勿体無いよなあ……というのは三作目を読むからにしたいところだけれど、『耳刈ネルリと奪われた七人の花婿』を読まされたあとではやっぱちょっと先走っちゃったわけですよ、はい。どこかで誰かがブレーキかけたんだろうけど、主人公の妄想力は五割減。それでもレイチくんはまぎれもなくHENTAIだよね! と言い切れるあたりが素晴らしい。お話としては学園で開かれる演劇祭に、仲好し小好しな一年十一組が飛び入り参加。それも演目はネルリのご先祖様な大ネルりの物語。よって、小ネルリが大ネルリ役でネルネルネルリ。そもそもこの学園が共和制から連邦制に移行した象徴的な、各地の連邦国家の王族と本土の子弟が共に学んでる学園。そんなところでかつての逆賊「大ネルリ」をネルリがネルネルネルリな上に政治思想があれなお方が首を出せば、中央の委員会も黙っちゃいませんぜ旦那なわけですよ。まあしかし、小説で演劇をやるってのは難しいねえ、などと思ったら更に上行くミュージカルで押し切られてしまいましたよ。いつの世もどんな世界も歌の力は偉大だってのは変わらないね。小説を読んでたはずが、いつの間にか演劇を見せられちゃったなんてのはなかなか体験できないよ。「自由・調和・博愛」そんなものも「ナラー!」

ビスケット・フランケンシュタイン

ビスケット・フランケンシュタイン (メガミ文庫)

ビスケット・フランケンシュタイン (メガミ文庫)

2008年の夏。鮮烈なデビューを果たした日日日だったけれど数冊読んで、正直これはないわと思ってたんだけど、読書録見たら『私の優しくない先輩』と『ちーちゃんは悠久の向こう』しか読んでないのな、自分。こういう無責任な読者がこうやってブログだなんだであーだこーだで、要するにごめんなさい。(開き直って)ということは、本作が初めて読む日日日ライトノベル。まあ正直に言えば『ナナヲ・チートイツ』目当てでメガミ文庫を探していたら『ビスケット・フランケンシュタイン』に出会っちゃったわけ。なんだいなんだいゾンビかい、ゾンビじゃないよフランケンシュタインだよということで買いました、読みました、なんじゃらホイ! 変化球と見せつけて、驚くほどに直球勝負な作風は嫌いじゃないです。ツンデレ風に言うと好きです。あれ? ツンデレが「好き」と言うのはどっちなの? まあいいや。ブラックファンタジーとしてはもっと暗くても良かったと思うし、最後のバトルはいらんこだと思うけど、ラストはグッとくるもんがありますし、クーデレ風に言えば「面白かった」。それにしてもtoi8さんが描く退廃感溢れたイラストはベストマッチ。おすすめ!*1

*1:あなたの街にメガミ文庫があるかは置いといて

時の果てのフェブラリー

あとがきによれば、本作品は1990年に角川スニーカー文庫から出版された物を2000年に徳間デュアルにて改訂版として発表された。それをまあ自分は2010年になってようやく積ん読本の山から引き当てたわけだけれど、なるほどなるほど20年という時間に耐えうる作品であった……という以前に、ぶっちゃけ読みにくい。同じく地球上に突然現れた特異点に相対する人間模様を描いたストルガツキー兄弟の『ストーカー』(もちろん、本作はこの作品へのオマージュだ)という作品があって、読書会に向けてうんうん言いながら読んだ思いでがあるが、ちょっと比べ物にならない。どっちみち読むなら『ストーカー』にせえやと言っちゃうと思うし、よく考えるまでもなく徳間デュアルってそもそも古書店でしか見かけないものね。でもまあ、これでは感想丸投げだし最後に書くのもなんだけど、科学者が出てきて作中で科学的な解説をところ構わず披露しても、天才美少女がひとりでシンギュラリティ突破されても読者置いてきぼりですよ。いやまあ、そこは自分のオツムの悪さもあるし「シンギュラリティ」とか言ってみたかっただけですけど。まあいいや。ところで、なんかあとがきには『宇宙の中心のウェンズデイ』の予告がありますが。最初に書いた通りこれ、デュアルで出てから10年……まあよくあるはなしですね、はい。
ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)

ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)

誰の感想かどこで見たのかも憶えていないのだが、『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』なるライトノベルが傑作であるらしかった。そんな朧気な記憶の中でたまたま目に留まった金帯の文庫。間違いない、ファミ通文庫の優秀賞受賞作だ。そしてその本こそ『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』であった。ぱらっと見て何か並々ならぬものを感じ購入。帰宅後読了。主人公の一人称で描かれる旧東側諸国を連想させる体制国家が産んだいびつな学園……などではなく、徐々に度合いを増す主人公の妄想力。否、変態指数。散りばめられた笑いどころも訴えられることがなく、読了したあとに残った感想は、「掃いて捨てよう」。しかし現実として、こうしてブログに感想を書く自分がいる。なぜか? 答えは明白。数日たっても「忘れられないのだ」。エキセントリックなまでに自己主張する登場人物達。どうにもこうにも彼らのことが記憶の片隅にとどまり続ける。これは自分にとっても、「なに?」「なぜ?」「どうして?」と要領を得ない。分からない、分からないのに僕は突き動かされた。さて、こうなっては仕方がない。最後はこれで締めようか。
耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳!!