時の果てのフェブラリー

あとがきによれば、本作品は1990年に角川スニーカー文庫から出版された物を2000年に徳間デュアルにて改訂版として発表された。それをまあ自分は2010年になってようやく積ん読本の山から引き当てたわけだけれど、なるほどなるほど20年という時間に耐えうる作品であった……という以前に、ぶっちゃけ読みにくい。同じく地球上に突然現れた特異点に相対する人間模様を描いたストルガツキー兄弟の『ストーカー』(もちろん、本作はこの作品へのオマージュだ)という作品があって、読書会に向けてうんうん言いながら読んだ思いでがあるが、ちょっと比べ物にならない。どっちみち読むなら『ストーカー』にせえやと言っちゃうと思うし、よく考えるまでもなく徳間デュアルってそもそも古書店でしか見かけないものね。でもまあ、これでは感想丸投げだし最後に書くのもなんだけど、科学者が出てきて作中で科学的な解説をところ構わず披露しても、天才美少女がひとりでシンギュラリティ突破されても読者置いてきぼりですよ。いやまあ、そこは自分のオツムの悪さもあるし「シンギュラリティ」とか言ってみたかっただけですけど。まあいいや。ところで、なんかあとがきには『宇宙の中心のウェンズデイ』の予告がありますが。最初に書いた通りこれ、デュアルで出てから10年……まあよくあるはなしですね、はい。
ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)

ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)