耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)

誰の感想かどこで見たのかも憶えていないのだが、『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』なるライトノベルが傑作であるらしかった。そんな朧気な記憶の中でたまたま目に留まった金帯の文庫。間違いない、ファミ通文庫の優秀賞受賞作だ。そしてその本こそ『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』であった。ぱらっと見て何か並々ならぬものを感じ購入。帰宅後読了。主人公の一人称で描かれる旧東側諸国を連想させる体制国家が産んだいびつな学園……などではなく、徐々に度合いを増す主人公の妄想力。否、変態指数。散りばめられた笑いどころも訴えられることがなく、読了したあとに残った感想は、「掃いて捨てよう」。しかし現実として、こうしてブログに感想を書く自分がいる。なぜか? 答えは明白。数日たっても「忘れられないのだ」。エキセントリックなまでに自己主張する登場人物達。どうにもこうにも彼らのことが記憶の片隅にとどまり続ける。これは自分にとっても、「なに?」「なぜ?」「どうして?」と要領を得ない。分からない、分からないのに僕は突き動かされた。さて、こうなっては仕方がない。最後はこれで締めようか。
耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳!!