打ち上げ成功

日本時間で2011年2月25日6時53分、米航空宇宙局(NASA)ではアメリ東部標準時間2月24日16時53分にスペースシャトルディスカバリーが最後の打ち上げに成功する様子を、ニコニコ生放送で眺めた日。サイドテーブルにオンライン端末を載せ、紙媒体の図鑑と辞書に首ったけでツイッターに感想を書き逃してしまった。日記でブログを再開するのも気恥ずかしいものだが、書き出しはそんなもの。テロと震災の報道から離れ、記念すべき宇宙開発の歴史を眺めてはどうだろうか。まずはその映像から。冒頭すぐに打ち上がりますよ。英語の管制のみですが、ニコニコなら大丈夫。コメント字幕が解説してくれます。以下余談程度に調べ方など。*1

カウントダウンをする男性の声が「ファイナルリフトオフ・ディスカバリー」と口から発したとき、既にスペースシャトルディスカバリー号は炎を噴く玩具の宇宙船のように見えるかも。そのまま轟音と共に錐揉みするよう回転をしながらフロリダの青空から薄暗い空へ。シャトルと燃料タンクとの接合部の映像からは、打ち上げたケネディー宇宙センターや海が霞んで離れていく様子が見えるかと。

大きな地図で見る
航空写真ではくっきり見えるものです。ケネディー宇宙センターの座標は"28.585,-80.651"なので、検索する窓にそのままコピペしてみてください。これでケネディー宇宙センターの検索結果が出ます。興味があれば、ケネディ宇宙センター - Wikipediaが日本語で分かりやすく説明しています。画像検索・映像検索・ニュース検索なども(検索して見てるその日の)情報を発信しているかと。

脱線しましたが、映像は巻き戻しできるので、長いと思ったら調べ物でもしましょう。我に帰って空が白んでいても責任持てませんが。早送りすると、外部の白いロケットが分離してるはず。2分30秒経ったところがSRBと呼ばれるロケットの切り離しがよく見えます。あれがどうなるか気になる方はスペースシャトル - Wikipediaを読んでみてもいいかも。

ディスカバリーのラストフライトは、国際宇宙ステーションにドッキングし船外活動を行い、帰還するまで続きます。

2日後に国際宇宙ステーションISS)とドッキングし、計2回の船外活動を行い、ISSの補修作業などを行う。また、恒久的多目的モジュール(PMM)とエクスプレス補給キャリア(ELC)、ヒト型ロボット宇宙飛行士「ロボノート2(R2)」もISSに運ぶ。ディスカバリーISSの分離は3月5日、ケネディ宇宙センターへの帰還は3月7日されている。
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さて、懸命な方ならリンク先でもっと分かりやすい説明を読んでいるでしょう。最後にヒト型ロボット宇宙飛行士「ロボノート2(R2)の奇妙な画像検索先をペタリ。これが国際宇宙ステーションでどう働くのでしょうか。
ロボノート - Google 検索
参考文献にはこういった本があります*2ので参考までに。

ロケットと宇宙開発―決定版 (Gakken Mook 大人の科学マガジン別冊)

ロケットと宇宙開発―決定版 (Gakken Mook 大人の科学マガジン別冊)

ビジュアル満載で宇宙開発の歴史とウンチクが読めます。シャトル以外の宇宙機や各国の予定にも興味があればぜひ。
増補 スペースシャトルの落日 (ちくま文庫)

増補 スペースシャトルの落日 (ちくま文庫)

より専門的にスペースシャトルを学ぶのに最適かと。

以上、2011年2月25日までのミッション話でした。なにか間違いや問題等あればコメント欄や、TwitterID @KAWAJIまでご連絡ください。

*1:このエントリーが間違ってたら直します

*2:お世話になってます

年忘れベスト本 - 2010

2010年も気がつけば随分と昔のような気もしますが、ぼんやりしてベスト本を選んでいたファイルをブログに上げる暇が……。また少し時間ができたのでぼちぼち。特にジャンルは縛りなく、読んでよかった本の中から少し絞ってピックアップ。

宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)

宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)

宇宙飛行士に憧れて、ソビエト連邦という今や忘れられつつある国で月に行こうとした少年の半生の物語。主人公は果たして作中で真実を見たのか? などと邪推したくなる結末は、ロシア文学のダウナーな読後感。居心地の悪さがたまらなかった。

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)

架空の連邦国家を構成する、国権に関わる支配階層や知的階層(やそのお供)の諸君12人が、ある北の地の全寮制高校で学び舎を共にし大人になるまでを描き出す。と、なんの話だって、第10回えんため大賞優秀賞受賞作(著:石川博品、イラスト:うき)『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』から『耳刈ネルリと奪われた七人の花婿』『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』と続く三部作は、青春ドタバタ群像劇から成長した彼ら12人の学園からの卒業後、再開として幕が下りる。困惑と笑いと最後は嬉し泣きなライトノベル

天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)

シリーズ物の国内SFで、これ程強く続刊が待ち遠しい作品があるだけで幸せになれたり。現代のパンデミックから、どこぞ知れぬ宇宙の何処かまで、壮大な叙事詩が進行形で紡がれてるなんて。羊肉を食べに、また南の島国に行きたくなりますが、作中でなら木星軌道でもラム肉にはありつけそう。ジュルリ、

WORLD WAR Z

WORLD WAR Z

「ゾンビごっこがTVCMで見られるとは」と、嬉しく思うようになりました。世界の終りの戦いは、ゾンビとの世界大戦とかいう小説。世界規模で共通の敵が存在したとして、その終戦後の人間社会に英雄はあれど、統一されるとかナイナイって。ドキュメンタリー形式でその者たちの物語が積み重なる重みも、対ゾンビでも人間ドラマだよ、と。

  • 『絶望同盟』

絶望同盟 (一迅社文庫)

絶望同盟 (一迅社文庫)

ライトノベルでも学園モノに食指が動くのですが、目が笑わずにニヤニヤできる系はいいですよねえ。表紙も中も、肌色の露出量が気になる方は、ぜひ。

ヴィークルエンド (電撃文庫)

ヴィークルエンド (電撃文庫)

紫色のクオリア』とは矛先を変えた新たな傑作。"サイバーパンク"が誰ぞの中でなにかはともかく、これもまた閉じずに進む子供たち、読者が本を閉じた先でもその先に行ってしまうだろうなという感じがひしひし。人間の限界に心身からの両面から、ヴィークルレースという己の肉体のみで超人的に突っ走っていくアプローチに脱帽。そこに限界はあるか!?

  • 『知はいかにして「再発明」されたか』

知はいかにして「再発明」されたか

知はいかにして「再発明」されたか

図書館にブラっと行って新着図書で置いてあってパラパラ。虜になりました。古代地中海文明圏から、西欧の知識にあえて的を絞り、なぜ現代でも古代の先人の知識が継承されてきたかを丹念かつ丁寧に読み解く。研究書にありがちな、「読みづらさ」を払拭させられるのは、この本もまた「知識の再発見」の様子をこうしたインターネットまで再発見し続ける物語にも読めるからだろうか。古代史であり、最先端の情報学。粘土や紙やデジタル信号など媒体を変えても、遺していくのが人の歴史なのかな。

知的エキサイティングの最前線にうってつけ。ブログ再録の部分など、たしかにそれは技術的に次へ行っている。だがしかし、現在進行形でググられる世界に大きな技術的ブレイクスルーがあったと気がつけるか。そして、気づいたとしてそれをどう感じるのだろうか。



ササッと羅列するつもりが、簡単な感想付きになってしまいました。ベストとしてはまとまりがありませんが、どれも2010年に出会えてよかった本の中でも忘れられぬ本ですね。また、まとまった感想を書いてみたいなあとぼんやり*1

国内ラノベよりでSF10本、どでしょ? 選んでいただけませんかね?

すべてはゼロから始めるためにの @KA3UKAさんからこんな話が飛んできたのが8月22日。最初てっきり「国内SFよりでラノベ10本」かと思いこみ嬉々として日経BP社のライトノベル完全読本 (日経BPムック)とかライトノベル☆めった斬り!とかこのライトノベルがすごい!2005とか、あとはご察しくださいなのを広げてたら、なんや分からぬ同人誌まで出てきてむにゃむにゃしてたら「国内ラノベよりでSF10本」というお題であることに慄然。しばし悩むうちに情勢悪し。しかし、なんにせよ出さなと思い結果アレです。はい。あ、こちら↓
これから残していきたい文庫 - すべてはゼロから始めるために

@KAWAJIさん

他の方の選書のオーダーも聞いてみたいなと思いつつ、迂闊にスターつけたからか!?と、まいど今さら。「気づいたときは手遅れ」

本題?どうしてこうなった

また全部書き直すのもめどいので、都合のいいとこだけメール部分から選んだ基準やら動機やらを抜粋。*1

  • ライトノベルレーベルから発売された小説ではない。また、再録も不可。
  • 朝日ソノラマは挿絵ないしなとか思いましたが、復刊されませんし。(ジュブナイル?)
  • トールサイズ含有率が悩みどころです。
  • リアル・フィクション作品群はそれだけで既に今回の作業だと思うので、敢えて外しました。
  • その後の著作も届いているものと信じて。
  • 伊藤計劃氏は同上。
  • 飛浩隆先生のは取られてた!(笑
  • SFの中のライトノベルの香りは「ボーイ・ミーツ・ガールとその亜種」「キャラ立ち」であり、年齢層は高校生的に。

それと、絶版リストとKAWAJIさんの中では近いらしい本。

なんとなくその他
絶版のため廃案
新旧
除外されたファンタジー

SF・ファンタジー・ハイファンタジージュブナイルティーンノベル・ライトノベルヤングアダルトジャンル小説といえどどこだってどれかに接続してるわけだし、地球が丸くて国境線なんか見えなくても、地上に戻れば国民栄誉賞。その国民が誰かは知らないけどぼんやり影は見える。小市民として日和見気分な奴でそう。最後になっていきなりどうした?ですが、文章が劣化してついに書けなくなり始めたのは……あ、聞かれてない、まともに文脈繋げたいので、地道にここんとこ読んで面白かった本やマンガについて書いていこうと。うえお久光ヴィークルエンド』まで行ければいいな!*2


きっとその頃は「気づいたときは手遅れ」なんだけど。

*1:なぜそれを言わない!とか言われそうですが日和見ですから!

*2:ネルリもね

なーんか暇つぶしとかしてみてぇ――……

最近ラノサイ杯があるまで更新が止まってたブログをゴロゴロ動かしてみようかなあと。ネルリの感想とか自分で読んで目も当てられない。石川博品先生大好きになったのにこれじゃ誰かがフラっと訪れ、なんとなく目にしてくれもしないし、自己満足以下のもんだし。最初にはてなで日記を書いた日に「衝動的に始めてしまったので、方向性なんてものはどっちを向いても見つからない。」なんて書いて、6年間の成長に打ちひしがれるよか初心に戻る感じで。面白いなってもんが積み重なって、ようやく道筋を……ううむ。


ま、年取って成長するもんじゃないなあという悪いお手本でいいんじゃないかな。そういうわけで、みんなで地獄に落ちましょう。

ライトノベルサイト杯投票

2010年上半期ライトノベルサイト杯
読了数も目に見えて減ってしまい恐縮ですが、ラノサイ杯に投票させていただきます。新規・既存共に読んだ中でも「面白かった」「読んでよかった」だけを基準に選んだため、「空気読め」てないものになりましたがご容赦ください。あと、コメントが感想になってないのもご容赦。これを機にまた面白いラノベにめぐり合えることを楽しみにしています。

  • 新規

第九学園の中でも最も顔面殴打的作品。肌色とか抜きで。

絶望同盟 (一迅社文庫)

絶望同盟 (一迅社文庫)

【10上期ラノベ投票/新規/9784758041379】
発売前の様々な不安要素を匂わせながら、これぞラノベという面白さを発揮。
うちのメイドは不定形 (スマッシュ文庫)

うちのメイドは不定形 (スマッシュ文庫)

【10上期ラノベ投票/新規/9784569674605】
ハヤカワ文庫JAは迷うところですが、ラノベ作家枠の作品はどれも面白いので、ひとつ。
星の舞台からみてる (ハヤカワ文庫 JA キ 7-1) (ハヤカワ文庫JA)

星の舞台からみてる (ハヤカワ文庫 JA キ 7-1) (ハヤカワ文庫JA)

【10上期ラノベ投票/新規/9784150309985】

  • 既存

空気嫁と言われようが、こんな作品に出会ってしまったんだから仕方がないではないですか。

【10上期ラノベ投票/既存/9784086305280】
同上。
神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)

【10上期ラノベ投票/既存/9784048685436】
フルメタ読んでないとか殴られそうですが、この表紙で満足、読んで満足。巨乳がいいと思いますが。
コップクラフト2 (ガガガ文庫)

コップクラフト2 (ガガガ文庫)

【10上期ラノベ投票/既存/9784094512090】
西尾氏、イチ押し。押した方の行方はともかく、長い蜜月といった気分でした。
零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係 (講談社ノベルス)

零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係 (講談社ノベルス)

【10上期ラノベ投票/既存/9784061826809】
まさかの復活! マグロの漁獲量は、モナコに感謝なのでしょうか。【10上期ラノベ投票/既存/9784797358865】

2010年2月の読書メーター

月初めは体調が芳しくなく、短期間の入院も示唆されていたため読み応えのある本を買い込んでしまう。結果的に容態が安定したため結局積ん読の山に新たな歴史が。「銀河英雄伝説」は外伝含む15巻まで読了。『超弦領域』なども切り崩し。ライトノベルでは『ほうかごのロケッティア』がちょいツボ。『アリスとBOBO』はレーベルをまたいでの待望の続編。総じて楽しい読書ライフだったので幸せ。

以下、読了本格納。

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耳刈ネルリと十一人の一年十一組

耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫)

「お兄様、あなたは堕落しました」と脳内妹に言われたのでブログ再開。なんて嘘に決まってるじゃないですか。そもそも脳内妹なんて今時誰が使うよ、それこそレイチくんぐらいだよ。しかも、R・デコに言われても可愛くない。言われるなカミレがいい。本地民で中央の委員を目指す学級委員長なんていう、いかにもツンデレ属性なのに全くデレないところがいいよね。それ、ツンデレじゃないじゃん!て話だけど、実際そういう話だし。そんな都合のイイ世界でないし。いやほんと、すごい世界設定なんだよね。異世界学園モノっていったら(中略)みたいなご都合主義のハーレム代替施設じゃないですか。いやそんなことはないぜよと言われるでしょうが、冬には隊列組まなきゃ便所にすら行けない学園ってなんだよ。というか、本地民のレイチくんからは本気で耳刈りしてるネルリちゃんは蛮族に見えるだろうけど、僕らからすれば結構どっちもどっち。だけどそんな文化や宗教の壁ってやっぱ高いんだわ。レイチくんだって所詮はちょっとしたエリート変態に過ぎなくて、ネルリは王位継承者。文化、歴史、宗教、そして背負うものの大きさ。これを乗り越える友情があるのか? そして愛があるのか? そんな問い掛けに真摯に答えた十一人の一年十一組のみんなに(そしてもちろん、石川博品先生とうき先生にも)愛を込めて、ナラー