本棚探偵の回想

喜国雅彦氏の漫画は読んだこともないし、探偵小説愛好家でもないのだが、たまたま手に取った文庫版『本棚探偵の冒険』がやたら面白かった。読みもしない古書を買い漁り、函や豆本を自分で作っては悦に入る様は本好きならどこか共感できるところがあるはず。ただし、氏の蔵書癖・愛書癖は既にビョーキの域に達していると言っても過言ではなく、ぼくら常人には近寄りがたいものがある。だからこそ、著書を通してその片鱗を垣間見る程度がちょうどいいのだ。
asin:4575713384