秋季限定栗きんとん事件 (下)

上下巻分冊でひと月焦らされた甲斐がありました。上巻には散りばめられていた日常の謎は少なくなり、連続放火事件に的が絞られていく下巻の構成。そして遂に再会する小鳩くんと小佐内さん。や、再会という言葉はなんか生易しいな。対峙するが妥当かな。いやでも、狐さんと狼さんの再会で正しいか。連続放火事件の犯人そのものは読んでいて分かるひとには分かるかと。でも、そんなことより小佐内さんの策略と復讐劇が魅力的。いやはや、ここまで可愛いと思える悪人も珍しい。そして、小佐内さんの最後の一言にきっとあなたもぞわっとすはず。そう、仮題の『秋期限定マロングラッセ事件』では駄目だったのだ。このお話は「栗きんとん」でなければ……。その理由は、小佐内スイーツ講釈で! というわけで、小佐内ファン必読ですよって、言うまでもないか(笑)
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