人類は衰退しました (3)

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の”調停官”のお仕事。……閑職ですが。そんな絶賛衰退中の人類のすべての記録を目指した、ヒト・モニュメント計画の影響で通電することとなったクスノキの里では、”夏の電気まつり”が開催されることに。一方、妖精さんは里帰り。……!?　妖精さんがいなくなる!?　微妙なお別れののち、わたしたちは都市遺跡の調査に向かったのですが……。エネルギーの補給は計画的に！

文句なしに面白いお話なんだけど、僕が感想を書いてもいつも以上にピンぼけになりそうなつかみ所のない面白さ。や、つかみ所が無いというよりも、面白さの細かいフックがありすぎてどれを取捨選択したらいいのやらといった感じかな。そこが田中ロミオの面白さなんだろうなと、「人類は衰退しました」から入った俄かファンが言ってみる(笑)
ええと、3巻は既刊と違って1冊使っての長編です。あらすじのとおり、衰退しちゃった人類は奮起して、残された発電電波衛星を使ってロストテクノロジーと化した都市遺跡に乗り出します。しかし、なぜか妖精さんたちは鬱モードになってしまって里帰り。更にトラブル体質の主人公は助手さんとともに都市遺跡で遭難。そしてそこに現れる、謎のモノリスや人型ロボットなどなど、今まで以上に未来SFなんですよこれが。
特に、人型ロボットOとPの素性が明らかになるラストはある種の人には強い感動を与えるんじゃないのかな。それにしても、物語中でついに妖精さんたちの秘密の一端や、そもそも人類が何故衰退したのかが描かれ始めます。さてさて、この伏線はどう回収されるのか楽しみですね。
いやしかし、なんと言っても最後はやっぱりごちそうさまぁ♪*1につきますね(笑)

*1:唐突に書くと意味不明だよこりゃ