悪魔のミカタ 魔法カメラ

悪魔のミカタ―魔法カメラ (電撃文庫)

悪魔のミカタ―魔法カメラ (電撃文庫)

2003年の第8回電撃ゲーム小説大賞<銀賞>受賞作品。受賞後はコンスタンスに巻を重ね13巻まで刊行後、現在「悪魔のミカタ666」を刊行中。ここまでの長期シリーズということで安牌と踏んで購入したものの、読了現在若干困った気分。
物語は、昔宇宙人に妹をさらわれたという主人公堂島コウの下へ悪魔を名乗る女の子が転がり込んでくるところから始まる。なんでも、コウが悪魔の願いを叶えたので、その契約の履行のため魂を奪いに来たという。このまったく身に覚えのない濡れ衣を晴らすため、コウは自身が所属するサークル『みークル』の仲間と協力して真実に立ち向かう。という感じなのだけれども、ライトノベルには珍しく作品の作りはミステリー風味。「風味」というのも、あとがきで著者自ら弁解しているとおり、ちょっと素人目にもミステリーとしてどうなん?という。
どうなん?と言っても、ミステリーの掟云々の話は偉い人に任せて、物語全体の文章と構成の拙さが際立つんですよ。そのため読み続けるのが少々苦しい。更に困ったことに、この主人公シリアスな場面で下手におどけるんだよね。いや、これは完全に僕の趣味の問題なんですが。そういうキャラクター設定の物語ってちょっと苦手。〆るところはきっちり〆てもらわなきゃ気が済まんのですよ、と言おうと思ったけれど最後の〆はなかなか悪くなくて評価に悩むところ。
悪魔のミカタ」とは、なかなかうまい締めじゃないですか。ちょっとこの先も読んでみようかと思いつつ、既に2巻は手元にあったり(苦笑)