零崎曲識の人間人間

戯言シリーズの外伝的シリーズである「人間シリーズ」第三弾は、零崎三天王のひとり零崎曲識の物語。戯言シリーズ本編では全く出番がなく、『零崎軋識の人間ノック』で初登場した殺人鬼ですが、これが「悪くない」なんて言葉じゃもったいないキャラクター。こういう魅力的なキャラクターを量産しちゃう西尾維新には改めて完敗。
物語は時系列的にランダムな四章構成。以下各章の簡単な感想。

  • ランドセルランドの戦い

竹取山決戦から暫らくしてからの、変態お兄さん双識と萩原子荻ちゃんの遊園地デートが舞台。『菜食主義者』『少女趣味』の二つ名を持つ曲識の能力お披露目回。しかし、連れてきた人識と出夢のいちゃいちゃにかなり喰われてます。

  • ロイヤルロイヤリティーホテルの音階

鷹と狐の起こした親子喧嘩から始まる大戦争時代のお話。まだこの頃は曲識も少年なんですが、まだ名前のないある少女との出会いが、曲識だけでなくこの先の世界を変えてしまいます。そういった意味で、戯言シリーズ中でもかなり重要なことをやっちゃいましたね。にしても、あの敵役は無いわあ(笑)

  • クラッシュクラシックの面会

『零崎双識の人間試験』の少し後のお話。人識が伊織のために義手を用立てるために、曲識の元を訪れるのだが、その義手製作者は呪い名で……。伊織ちゃん可愛い。というか、こんなキャラだっけかと。このふたりの行く末は気になりますね。

  • ラストフルラストの本懐

ネコソギラジカル』で描かれなかった戦い。零崎一賊が「彼女」によって次々と倒される中、曲識が遂に立ち上がる。この話は『ネコソギラジカル』と密接に関わりあっていますよ。そして、なんと言ってもラストが鮮やか! こんな救いのある死に方は、戯言シリーズ中でも滅多にないですよね。まさに、「ラストフルラストの本懐」


人間シリーズも遂に、次作の『零崎人識の人間関係』で完結の模様。ここまでの伏線をいかに回収するのか。零崎人識と匂宮出夢の蜜月はいかにして終わったのか? 零崎一賊はどうなったのか? そして、人識と伊織の行く末は? 首を長くして楽しみに待ってます!