“文学少女”と穢名の天使

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

文芸部部長、天野遠子。物語を食べちゃうくらい愛しているこの“文学少女”が、何と突然の休部宣言!? その理由に呆れ返りつつも一抹の寂しさを覚える心葉。
一方では、音楽教師の毬谷の手伝いで、ななせと一緒に放課後を過ごすことになったりと、平和な日々が過ぎていくが……。クリスマス間近の街からひとりの少女が姿を消した。必死で行方を追うななせと心葉の前に、やがて心葉自身の鏡写しのような、ひとりの"天使"が姿を現す――。
大好評シリーズ第4弾!

“文学少女”シリーズもようやく第四巻まで追いつきました。前巻のひきからして美羽編突入かと思いきや琴吹さんのお話でしたね。我が親愛なる遠子先輩の出番が少ないのが惜しまれつつも、巻を重ねるごとに物語の完成度が高くなる“文学少女”シリーズに脱帽です。要するに、琴吹ななせも最高だよね!*1
話の主軸は「オペラ座の怪人」。恥ずかしながらちゃんと読んだり観たことってないんですが、「金田一少年の事件簿」であらすじは覚えていたり。だから、途中でこいつは奴に違いないなどと読み進めていたら……あの結末は予想できなかったです。予想できなかったのは結末だけでなく、物語り全体でいくつもの告白が散りばめられていて目が回りそう。鬱っ気のある時は胃に悪い。や、もちろんビターな告白だけではなく、あま〜いところもありますよ? 特に第5章なんてねえ。
ああ、しかし忍び寄る黒い影。狭まる心葉包囲網。彼女が出てくるところを想像すると心葉くんの1/10は胸が痛みます。なんだか遠子先輩まで意味深だしなあ。が、そんなの関係なく、明日は本屋へ出陣だ!

*1:遠子先輩は別腹