ホルモー六景

ホルモー六景

ホルモー六景

ホルモーのある日常を描いた短編集と紹介するのが最適かな。ここで「ホルモーって何のこと?」と思った諸氏は是非とも『鴨川ホルモー』を読むことをお薦めする。なにせ、直木賞候補に続きまさかのドラマ化を果した『鹿男あをによし』の著者、万城目学のデビュー作なのだから。京都を舞台に、大学生が鬼を使役しホルモーという謎の競技を繰り広げる万城目京都ワールド。何かと比較されるが、森見登美彦氏の京都ワールドが好きならば読んで損はないはず。*1
脱線している気がするが、僕には本書を「ホルモーのある日常」としか言い表せない。各短編は『鴨川ホルモー』に出てきた主要人物のサイドストーリーであったり、はたまたライバル校の学生の物語だと思えば、OBたちの話だったりもする。しかし、あのOBの話には驚いた。さておき、彼・彼女らの恋に友情にと話は膨らむが、根底に「ホルモー」という大仕掛けがあるからこそ面白い。是非これは、『鴨川ホルモー』と供に読むべきだよ。
しかしなあ、『鹿男あをによし』のドラマ化には本当に驚かされた。まさか、かりんとう綾瀬はるかに化けるとは! 主人公が鹿と喋ることより吃驚だよ!
鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

個人的には、『鹿男あをによし』がやはり万城目氏の作品の中では頭ひとつ出ていると思う。ドラマ化に合わせて読んで損はない。合わせて森見氏も。

*1:個人的には森見氏を贔屓しているのだけれど