蓬莱学園の魔獣!

蓬莱学園の魔獣!〈上〉 (富士見ファンタジア文庫)

蓬莱学園の魔獣!〈上〉 (富士見ファンタジア文庫)

蓬莱学園の魔獣!〈下〉 (富士見ファンタジア文庫)

蓬莱学園の魔獣!〈下〉 (富士見ファンタジア文庫)

蓬莱学園シリーズ長編三作目にして、完結した最後の長編。時系列的には「犯罪!」の直後から始まる本作。「空中饗宴」と「悪徳大路」の顛末が語られ、テオドール・ザールウィッツはまたも奔走する。悪徳大路残党に加え公安委員会からも追われるテオは、遂に怪獣騒ぎに揺れる学園の秘境「南部密林」に足を踏み入れる。下巻になって時系列が少し巻戻り、学園研究部でアルバイトを始めた音楽教師と謎の少女の邂逅編。このふたつの主軸が交わったとき、命を懸けたサバイバルは頂点に達する。達するといっても、正直最後はやや尻切れトンボ気味。そこは若干残念ながらも、著者の語り口がますますもって饒舌かつアカデミックに展開されていく様は読んでいて心地よい。読み応えのあるライトノベルをお探しなら是非とも読んでみることをお薦めします。