片手間ヒロイズム

片手間ヒロイズム (一迅社文庫 こ 1-1)

え？というタイミングで完結してしまい、あ！という間に絶版になってしまった『食卓にビールを』の小林めぐみの新作が一迅社文庫で登場。
「地球を救う為、インドで仲間を探してきます」と、おとぼけ大学教授の奥さんで従姉妹の千恵ちゃんが失踪してしまったため、現役女子高生の真理ちゃんが、代わりに赤ん坊のえーちゃんの子守りを引き受ける。が、何故かその周囲で頻発する不思議な出来事。だけど、宇宙の危機だろうが平行世界だろうが女子高生には関係ありません！な“スナック感覚で楽しめるSF短編コメディ”第二弾。
新作といいつつ、ノリはほとんど前作と同じ。しかし、本作のヒロイン真理ちゃんは『食卓にビールを』のヒロインほどボケも突っ込みもしてくれないので、少々物足りないかも。文体もですます調でちょっと違和感を感じたけれど、そこは慣れですな。大学准教授の粟野先生に恋する真理ちゃんは可愛いですし。
それにしても、最後のどんでん返しには結構唖然。ええと……これは、真理ちゃんに肩入れすべきか千恵ちゃんを哀れむべきか。うん、やっぱりこの夫婦には会話が足らない！そもそも、続きをどうやって書くんですか、小林先生！？